2008年5月16日 (金)

勝手本57「出口のない海」 横山秀夫

読んだ後思わず「ふぅ~~」と
吐息が漏れてしまいますね。

人間魚雷「回天」。
自ら志願して搭乗する並木。
甲子園優勝の経験もしたが、肘を壊し投げられなくなり
「いつか魔球を投げる」と口癖のように言い続けた。
特攻に志願した並木の葛藤。
国のため。家族のため。愛する人のため。
死にいく理由はいくつもあれど、自分の中にある本当の気持ちは・・・・
「俺は、回天を伝えるために死ぬよ」
このセリフの中の並木の気持ちが痛いほどです。
家族や愛する人のために死ぬ。
でもやっぱり、生きてそばにいたい。
あたりまえにあたりまえで、でもそのあたりまえが言えず
それどころか思う事も許されず。
その中で自ら散ろうとする隊員の葛藤がにじみ出ていました。
もうひとつ。
沖田や、弟のトシ坊の考えや言葉から教育って
使い方を間違えればほんとに恐ろしいものだな、と思いました。

この本は、感動というのとは少し違います。
かといって、読後のさわやかさなどありません。
でも、一度は読んで欲しいです。

                   いんちょー

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2008年5月13日 (火)

勝手本56「死角形の遺産」 大沢在昌

これは、大沢在昌の初期の頃の作品ですね。
設定といい物語の進行といい
なんだかどこかのんびりとしたハードボイルド
という感じがします。(^_^)

偶然配達間違いされた?小包をめぐって
命を狙われる事になったやり手の総会屋。
それが、宗教や何やらがいろいろからんで
どんでん返しがあって、最後はめでたしめでたし。(^_^)
ということです。

正直この本で緊迫感を体験しようとすれば
かなりの想像力を必要とします。(^_^)

それでも私は、大沢ファンなので
あ~最初のほうはこんな小説を書いていたんだ~。
と、それなりに楽しみました。

初めて、大沢作品を読もうとする方は、
ちょっと別の本のほうがいいかも・・・・・(^_^)

                    いんちょー

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2008年5月 9日 (金)

勝手本55「使命と魂のリミット」 東野圭吾

やっと読む事ができました。(^_^)
図書館に4月に予約を入れておいて
10月になってやっと手にしました。

相変わらず人気者ですねぇ。
待たされたせいで読む前から
なんか過剰な期待を抱いてしまいました。^^;

その期待で読んでもさすがは東野圭吾ですね。
十分満足させてもらえました。(^_^)

人が「使命」を感じるその最たるものの一つに
医師があり、その使命を全うしようとして
日夜、医師達は全身全霊を傾けて患者を治療してくれている。
しかし・・・もし手を抜いていたら? もし、わざと失敗したとしたら?
人はどんな状況でも使命を全うできるのか?
それほど自分の使命を感じて生きている人間は
いったいどれほどいるのだろうか?
登場人物それぞれが自分の「使命」を成し遂げようと
ある手術に向かう。
それぞれの使命が交錯した時、本当の使命に気付く・・・

スラスラッと一気に読めましたが
中々深い作品でしたね。
若干「天空の蜂」とかぶってるとこがあるよな・・・・
それでも面白さはピカ一なのでぜひどうぞ!

                   いんちょー

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2008年5月 3日 (土)

勝手本54「桜宵」 北森鴻

香菜里屋シリーズ第2弾。
今回も物悲しくも心地よいストーリーが4篇。
全体的な流れはミステリーですが
その副菜ともいえる香菜里屋で出される
料理とビールとカクテルと・・・・・雰囲気と
最高ですね。(^_^)
ほんとうにこんな店があったら行ってみたいですねぇ。
隠れ家を持つって、ある意味男性みんなの夢ではないでしょうか?

お客の一人の刑事が、同業者の客に気付いて
「仕事ですか?」
「いいえ」
「よかった・・・・・」
と会話するシーンが、この店のほんとのよさを
出しているような気がします。

アルコール度数の違う4種類のビール。
一番高いアルコールは、ロックで飲む。
いや~飲んでみたいものです。(^_^)
さっそく、白髪ねぎにサラミの細切りを混ぜて
イタリアンドレッシングで合えた肴で
ビールが飲みたくなってきました。^^;

仕事から離れほんとに気の抜ける場所って
なかなかないし、それが家庭に求められる人はいいけど
独身の方だったりすると難しいとこもあります
から、こんな店があったりするとほんとにいいですよね。(^_^)

香菜里屋のよさばかり書きましたが、ミステリーとしても
非常に楽しめますよ。
ゴールデンウィーク真っ只中
混雑の中出かけずに読書はいかが。。。ヽ(^o^)丿

                        いんちょー

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2008年4月28日 (月)

勝手本53「最後の将軍」 司馬遼太郎

武道にも秀でて、勉学もでき、頭も切れた慶喜。
しかし、わずか2年で将軍を辞し
徳川時代を終焉させた男。
慶喜の才をもってしてもいかにもできなかったのか
それとも才が走りすぎたからこそああなったのか?

私は、この本を読んで幕末に対する認識が少し変わりました。
慶喜の人柄、将軍になったわけ。
戊辰戦争のときの恭順を貫いた裡なる思い。

この本がすべて史実ではないのでしょうが
きっと二条城では、慶喜はこんな気持ちで大政奉還したのだろうなぁ
と思ってしまいます。
相変わらず、隣で聞いていたような本を書きますね。(^_^)

私は、幕末、日本を変えようと必死になった男たちの思いとその力,
「日本」を救うために幕府を倒し、世の中を変えた男たちに対する
尊敬は衰えませんし、間違っているとも思いませんが
幕府側の人間もまた、形は違えど彼らも日本を守ろうと必死だったのですね。
やはり、この時代は熱いですね。
また新しい目線を持つ事ができ、これから読む幕末物が楽しみになってきました。(^_^)
幕末の司馬作品をもう一度読み返したくなりました。

                                いんちょー

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2008年4月23日 (水)

勝手本52「最愛」 真保裕一

最近の真保裕一の書く本は、個人的に
できのいい物と、そうでないものが極端に
なってきている気がします。
なぜでしょう?

この本は残念ながらあまり好きではない
部類に入ってしまいますね。(~_~;)
最初の入りはたしかに面白そうではあるのですが
その後がどうも・・・・
全体的になんかフワフワしてて
読んでてもしっくりこないんですよね。
一人称で進んでいくのですが、
これがどうも、主人公の感情と予想だけが
延々と続いて読んでてもぜんぜん
入り込めないというか。。。。。(~_~;)

18年前に生き別れた姉が重傷を負って
病院に運ばれたと連絡が入る。
あわてて駆けつけた僕の前には、
大火傷と頭に銃創を負った姉の姿が・・・
いったい今までどんな生き方をしてたのか?
姿をみせない「夫」は・・・・
空白を埋めるかのように僕の「姉」さがしが始まる。

と、なかなか楽しそうな感じはするのですが
これがまた何というか。
最後もウ~ン。とうなってしまったし。。。。
真保作品の最初に読む本ではないですね、正直な話。
他にもすばらしい作品がたくさんあるので
まずはそちらを読んで、真保裕一のよさを十分わかって
から読む本でしょうね。(^_^)

                     いんちょー

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2008年4月18日 (金)

勝手本51「黒い森」 折原一

折原ワールドですねぇ。(^_^)
今回は、あまり叙述という感じはしませんが
それでもやっぱり本自体の構成といい折原ワールドです。

前と後からと読み出しがあって、
別の視点で同じ物語をつむいでいき
最後に真ん中にある、謎解きの袋とじを読む。
こんな本を書くのは折原一だけですよね。(^_^)

ちょっとむちゃな・・・という設定があったり
これはちょっと・・・というオチがあったりしますが
あまり細かことを気にせずに楽しむミステリーです。

「そして誰もいなくなった」みたいにメンバーが一人づつ殺されて
残った人間から、さて犯人はダレ?
という形式です。
でも、それほど難しくなく・・・というか全然分かりやすく
ちょっと拍子抜けする方もいるかも。(^_^)

それと、「生存者」から呼んだほうが楽しめます。と書いてまして
そのとおりに読んだのですが
私は、「殺人者」から読んだほうが面白いだろうなと思いました。
そっちのほうが、まだ犯人がわからなくて、楽しみが袋とじまで持ちそうです。(^_^)

まぁとにかく、一度こんな本も読んでみると楽しいですよ!ヽ(^o^)丿

                       いんちょー

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2008年4月14日 (月)

勝手本50「空白の叫び上・下」 貫井徳郎

上巻の目次の裏に
「この物語は2000年の少年法改正以前を舞台にしています。」
と書いてあるのを読んだときは、
この長さで重いテーマだなぁ
と読み始める前の覚悟みたいなものが必要でした。(^_^)

予想に反して、途中からは一気に読めましたが
読後は考えさせられました。
この本で、罪を犯した少年と被害者の意識の違いの
一端を見たような気がします。
「反省」とは?「償い」とは?
両者の絶対埋まらない溝とはこういうことなのかと思います。

それと下巻の途中になってもなぜ主人公が3人じゃなきゃ
だめなのか分かりませんでしたが
最後になってようやく「あぁだから3人必要なのか」
と納得いきました。
罪を犯した人間に対して世間の目と
本人の心のうちとの隔絶はきっと分かりあえる事はないでしょう。
「更正」と「贖罪」と人々は罪を犯した人間に何を求めているのでしょうか?
どうすれば「許す」ということができるのでしょうか?
それとも被害者はもう「許す」ということはできないのでしょうか?
それは双方にとって幸せなのでしょうか?
そうなってしまうともうどちらにも幸せは来ないのでしょうか?

するりと呼んだわりにはいろいろ考えさせられます。
量もテーマもなかなかガッツのいる作品ですが
気合の乗ったときにはぜひどうぞ!(^_^)

                   いんちょー

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2008年4月11日 (金)

勝手本49「金雀枝荘の殺人」 今邑彩

これぞ正統派本格物推理小説!という感じですかね。(^_^)

閉ざされた館の中で次々起こる殺人事件。
過去にも同じような事件は起こっていた。
この館は呪われているのか?
いいですねぇ。(^_^)

今邑彩は色んな作品を書きますよね。
オカルトから本格物からちょっとホラーから
繊細なものまでバラエティに富んでて
そして、それが見事にはまってますよね。

今邑作品を書くのは初めてですかねぇ?
私は、結構好きで大半は読んでいるんですけど
最近はあまり書かれてないのかな?
「いつもの朝に」が最後かなぁ。
体調を壊しているとも何かで見たし・・・・・(-_-;)
ぜひともまた元気になって面白い作品を書いて欲しいですね。(^_^)

正々堂々とした本格物推理なので
ミステリーファンはもちろん。
名探偵コナンが好きな子供から
大人までぜひ読んで欲しいものです。ヽ(^o^)丿

                 いんちょー

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2008年4月 7日 (月)

勝手本48「棄霊島」 内田康夫

よく言えば、安心して読める一品です。
独特の旅情感と浅見光彦の爽やかさが
相変わらず、なんとも言えずマッチしてますね。

最近の傾向というか単に私の読む順番のせいなのか
朝鮮問題を扱った作品が多いような気がします。
この本の前に「贄門島」を読んでいまして
なんか二つが頭の中でごっちゃになってます。(~_~;)

今回も事件自体はあっさりしたものですが、
その裏にある心情や因縁といったものが複雑にからんでいます。
長崎は分かるのですが、なぜ静岡なのだろう?という疑問が
最後まで消えませんでした。(-_-;)
それならいっそのこと舞鶴でよかったのじゃないかと・・・・
取材やら何やら、こちらも色んな因縁があったりして。。。。(~_~;)
それとちょっと長すぎたような・・・「贄門島」でも同じことを思ったのですが・・・・

それでも決して面白くないわけではないですよ。
浅見ファンは十分楽しめると思うし、
自分が知らなかった歴史もよく分かり(ほんと学校では近代の歴史は教えませんよねぇ)
読み終わった次の日には、新聞を1面から見ていくようになりそうだし。(^_^)
ミステリーというよりも、よく分かる近代歴史(日朝関係)物語といった感じです。(~_~;)

                       いんちょー

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2008年4月 2日 (水)

勝手本47「灰色の北壁」 真保裕一

「山」にまつわる中篇3篇です。
どれも最高です!(^^)/

人が自然を相手に挑む。
山とはその最たるものではないでしょうか?
人は純粋な気持ちで山に挑む。
でも、心にはどうしても
ぬぐいきれないものもある。

そんな葛藤と容赦のない「山」。
色んな思いの中、山に挑み続ける男たち。
たとえその先に死が待っていようとも・・・

「これで山を嫌いにならないでくれよ」
というセリフがシミジミと心に広がります。

こんなに厳しい場所に挑むのは無理ですが、
読んだ後は、やっぱり大自然の中に身をおきたくなりますね。(^_^)

中々骨太の小説ですので、ハードボイルドが
お好きな方はぜひどうぞ!

                   いんちょー

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2008年3月28日 (金)

勝手本46「家日和」 奥田英朗

「家」を中心とした夫婦物小説。短編6篇です。
ジャンルの違う伊良部系かな?
テイストはよく似てます。(^_^)

でも、絶妙な描写と展開はさすがです。
どの話も、あれ?もう終わり?
という感じで、もう少し先があるなら読みたい!
と思ってしまいます。(^_^)

読む人それぞれでしょうが、私は特に
「家へおいでよ」と「ここが青山」にはまってしまいました。

さしたる理由も思い浮かばないまま別居する事になった夫婦。
家具も持ち出されガランとなった部屋に残された夫が
自分の趣味のまま、気の赴くままに部屋をコーディネイトしていく。
なつかしのレコードとオーディオセット、DVD、ホームシアター
ソファ、スタンドなどなど
世のサラリーマンたちが聞いたらうらやましすぎる生活が始まり
いつしか、会社の同僚たちのたまり場となり
それが引き起こすささやかな諍い。
やっぱり「家」は女の城だからいいのか・・・・
ラストシーンの電話のやり取りが心温まり
「家へおいでよ」は、この続きが読みたいなぁ。
と思ってしまう作品です。(^_^)

「ここが青山」もいいですねぇ。
突然会社が倒産。
家に帰って話をすると妻はめげるどころか
働く気まんまん!
必然的に主夫となった夫は、料理、炊事、弁当作り、子供の送り向かえ
と家事をこなしていくうちに、まんざらでもなくなってくるが・・・
周りの人たちは、心配したり励ましたり本人との温度差は広がっていくばかり・・・
家族の中での幸せと周りから見る幸せの違いがコミカルに出てて
とても面白かったです。(^_^)
これも続きはどうなるんでしょうねぇ。
とても気になります。。。。。

休日の昼間、何もすることがなくほのぼのしたい時に
ウンウンうなずきながら読んでください。(^_^)

                       いんちょー

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2008年3月24日 (月)

勝手本45「影絵の騎士」 大沢在昌

近未来物ハードボイルドといった感じでしょうか?(^_^)
設定はすごい事になってますが
なにぶん近未来物なので。^^;
でも、2058年にあそこまでなるかなぁ?
認識方法とかは近いものになるかもしれませんね。

テレビが相互間放送を獲得したネットワークと
映画産業と観光を統合した、ムービーアイランド
そこにうごめく黒い力とは何か・・・

大沢在昌氏なりのマスメディアに対する危惧or警告。
それと、日本映画に対する期待。
それらがこの本に投影されてこんな設定になっているのでしょうか?
たしかに情報が発達しすぎても危険をはらんでしまうのでしょうね。
情報による冤罪と犯罪。
その境界線もあやふやになってしまうかもしれませんね。

もう一つ。大沢作品は、一回引退した人を復活させるのが好きですねぇ。
これもよくありがちな設定ですよね。(^_^)
この作品は映画のようなので、最初から一気に読んで欲しいですよね。ヽ(^o^)丿

                      いんちょー

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2008年3月20日 (木)

勝手本44「悪夢狩り」 大沢在昌

純粋に面白かったです!(^_^)
エンターテイメントホラーというかなんというか・・・
エイリアンとかバイオハザードとかお好きな人ははまりますよ。
新宿鮫シリーズなんかで大沢作品を読んでる人は
ひょっとしたらちょっとひくかも・・・^^;
設定はSFチックだし、主人公も最後は・・・・・

「ナイトメア90」という薬がアメリカで極秘に開発されていて
それを飲むと、自分の身が危険にさらされると体が変態し
殺戮兵器になってしまう。
という薬がなぜか、日本に入ってきてしまい。
そのうちの5つが売人を通じてそれも高校生とかに売れて
その薬のワクチンを持った主人公が秘密裏に事態を収拾すべく
依頼される。
女にもてるし、タフだし、頭も切れるという3拍子そろった
ヒーローが化け物相手に戦う。
それも変身してしまったもとの人間をも助けようと
自ら危険な中に飛び込んでいく。。。。

すばらしいヒーロー物ですね。(^_^)
気分が落ち込みそうなとき、ムシャクシャする時はぜひどうぞ!
掛け値なしのエンターテイメントが楽しめます。ヽ(^o^)丿

                       いんちょー

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2008年3月17日 (月)

勝手本43「ミッドナイトイーグル」 高嶋哲夫

1冊の本を読んだというよりも1本の映画を見た感じですね。(^_^)
最後まで息つくひまなくスラスラっと読めました。
楡周平にどことなく似た感じがあるかなぁ・・・・

映画公開もされてるのであらすじは書きませんが
この設定はすごいですよね。
なにせ日本のど真ん中にステルスが落ちるんですもん。
あまり細かい事いうのもエンターテイメント作品を読むのに
邪魔になるだけで楽しめなくなってしまうので
それはそれでいいとは思いますけど。。。。
場面と登場人物も限られていて、本と映画向きですね。(~_~)

でも私的には、あのラストはいかがなものかと・・・・
これだけ娯楽的な小説ならやっぱり最後はハッピーエンドが似合うかな。。。
アルマゲドンじゃあるまいし。。。。(~_~;)

高嶋哲夫氏の作品ははじめて読みましたが
途中でだれることなく最後まで楽しめました。
他の映画になった作品はそうでもないのですが、
これの作品は、ぜひ映画が見たいなぁと思いました。ヽ(^o^)丿

                      いんちょー

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2008年3月12日 (水)

勝手本42「神々の山嶺」 夢枕獏

とにかくのどが渇く・・・・・・
この本はそんな本です。

私は、夢枕獏という人の本を読むのは
実はこれが初めてでした。

前回沢木耕太郎の「凍」を読んで
山岳小説にはまってしまい
その流れの中で気軽に手に取った本でした。
名前はもちろんしてましたが
あまり私と縁のないようなジャンルの小説を書く方だろうと
思っていたので、今回も正直なところひょっとして
外れるかも・・・くらいの気持ちでした。^^;

読み出して数ページ。
あたりはずれを考えた事自体が恥ずかしくなるような
渾身の小説だということが手に取るように分かりました。

緻密な描写と迫力。
あぁ、夢枕獏はこんな小説も書くんだ。
特に後半のエベレストの登頂シーンからは
圧倒されっぱなしでした。

よく、いい小説は一本の映画を見るようだといいますが
これは、そんなのじゃなく「本を読んだ!」という感じです。
細かい描写と、迫力、叙述とまるでスクリーンを見てる
ように目の前に浮かぶのですが、
やはり映画ではなく、本なのです。

とにかくのどが渇く、キリキリする本なのです。
これは読むより、感じて欲しい本なのです。ヽ(^o^)丿

                 いんちょー

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2008年3月 7日 (金)

勝手本41「マイ・ホームタウン」 熊谷達也

なんだか懐かし~気持ちになる本ですね。
主人公の「僕」とその仲間たちは昭和33年生まれの設定ですが、
昭和43年生まれの私が読んでもやっぱり懐かしい気持ちがします。

タイムカプセルを開けるために30年ぶりに母校を
おとずれた僕。
幼なじみの、稔、巌夫、アイドルだった友子。
その懐かしい日々がよみがえる。
底なし沼で河童を探し、
立ち入り禁止の洞窟を探検して、
ご神木にのぼり
小学生とは学校で禁止されている事をことごとく
やってみたくなるものなのです。

読んでいて、こんな事自分もしたなぁ。とか
こんな事やってみたかったなぁとか
とてもワクワクする本でした。(^_^)
ただ私としては、最後の終わり方がちょっと・・・・
あれじゃなきゃだめだったのでしょうか?

30代後半から40代前半の方は絶対はまりますよ!(^_^)

                  いんちょー

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2008年2月29日 (金)

勝手本40「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊

これは、次の「ジェネラル・・・」と
「螺鈿・・・」の序章というかフリみたいな感じかな・・・(-_-;)

相変わらずキャラはとても魅力的なんですけど
今回はストーリーがちょっと・・・
私は、順番が逆で「ジェネラル・・・」を先に呼んでしまったので
この本を読んだときに、「あぁ。あれはこういうことだったのか」
と、「ジェネラル・・・」のほうを再読したくなったりしました。
もし、最初にこちらのほうを読んでいると
もっと面白みが欠けたかも・・・・

メルヘンチックというか、超常現象的というか
このシリーズには、あまり必要ない気がします。
あと、殺人事件は起こるのですが、
あのスプラッター的なことも必要ない気がしますね。

そうしなくても「バチスタ・・・」や「ジェネラル・・・」のように
キャラと設定だけで十分読ませるものができますよね。
かといってぜんぜん面白くないわけじゃないです。(~_~;)
ただ、前の2冊がよすぎたので、過度の期待をしてしまったのかも・・・

「バチスタ・・・」から読んでいくなら、もちろんこの本も
飛ばさずに読んだほうがこの後の作品に入り込めて
面白さが何倍も違いますよ。
もし、このシリーズを読むなら
絶対、順番を守って「バチスタ・・・」から読んでくださいね。ヽ(^o^)丿

                      いんちょー

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2008年2月26日 (火)

勝手本39「シャドウゲーム」 大沢在昌

大沢流ハードボイルドの原点の一つ
という感じの本です。(^_^)
ちょっとだけむちゃな設定や展開も
あるにはありますけど、そこは
冒険小説ということで・・・・
最後までだれることなく十分楽しめます。

深夜の首都高で事故死した恋人の遺品となった楽譜「シャドウゲーム」。
その作曲者は誰なのか?
シンガーソングライターの優美が思い出の曲を
自分で歌おうと作曲者探しに出る。
その先々に待っているなぞのトラブル。
胡山という強い協力者も得て捜査は進みだすが、
今度は何者かに命まで狙われるはめに・・・・・
果たして、「シャドウゲーム」に隠されている本当の意味は?

おぉ~、あらすじを書いてても正真正銘のハードボイルド!
という感じがしますね。(^_^)
こういった小説があまり好みでない方も
読めるような軽い感じなので、
スリル感を味わうには最適かもしれませんね。ヽ(^o^)丿

                    いんちょー

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2008年2月19日 (火)

勝手本38「六時間後に君は死ぬ」 高野和明

ちょっとした北斗の拳みたいな題名ですね。(古いかなぁ~^^;)
あのグレイヴディッガーの高野和明でまして題名がこれじゃあ
絶対バイオレンス物かと思ってたんですがぜんぜん違いました。^^;

予知能力がある主人公がめぐりあう
ライトサスペンスといったところでしょうか。

連作短編小説で、表題作よりもむしろ
読み進むにつれて味のある作品になってきています。
未来の見え加減?がちょうどよくて、運命に立ち向かう
人たちがそれをのりこえたときに、よし明日もがんばろう!
と元気になるのを読んで、こちらも引きずられなんとなく元気になったりします。(^_^)

13階段のあとだとちょっと物足りなさはあるかもしれませんが
これはこれでかなり面白かったです。(^_^)

もし自分が全然知らない人に「あなたは6時間後に死にます」
といわれたら、あなたなら信じますか?
私ならどうするだろうなぁ。
とりあえず信じないと万が一があるもんなぁ・・・・でもなぁ
いやぁ考えると結構ぞっとしますね。ヽ(^o^)丿

                  いんちょー

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2008年2月13日 (水)

勝手本37「チームバチスタの栄光」 海堂尊

相変わらず表情描写を書かせたらピカイチですね。(^_^)
状況だけじゃなくてキャラにもバシッとはまってますもんね。
これがあるから魅力的なキャラが書けるんでしょうねぇ。

私は順番を間違えて「ジェネラルルージュの凱旋」から読んだので
設定がよく分からずちょっと悔しい思いをしたので、
この「チームバチスタの栄光」を読むのを
ひたすらに楽しみにしてました。(^_^)

いや~期待どおりでしたね。
田口講師も高階院長も白鳥もやっぱりいいキャラですね。
白鳥はこちらのほうが出番も多いし引き立ってますね。
ジェネ・・・を読んでて引っかかっていたもろもろの状況が
やっと飲み込めましたよ。
この状況を踏まえてもう一度ジェネ・・・・を読みたい感じですね。(^_^)
そして「このミス」の大賞だけあって
こちらのほうがミステリー色は強いですね。
病院の中の術死という完全犯罪できる場所で
さらに動機があれでは、暗い話になってしまいがちなのですが
それ以上にキャラが際立っていて読後も爽やかですね。
まれに見る非常にできのいいエンターテイメントです。
ぜひ読んで欲しいものですね。ヽ(^o^)丿

                 いんちょー

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2008年2月 8日 (金)

勝手本36「サウスバウンド」 奥田英朗

奥田英朗本領発揮!という本ですね。(^_^)
伊良部シリーズのファンで他の作品も
よく読みますが、長編の中では
この作品が一番です!
素直に面白い。(^_^)
映画になって上映もされてまして、
トヨエツのイチローをぜひ見てみたいと思いますね。

ストーリーは、結構皆さんご存知と思います。
元過激派に父イチローに小学6年の僕、ジロー。
アナーキーな思想で日本国民をやめると言い出すイチロー
そんなこんなで東京にすめなくなり、沖縄の西表島に引っ越す事になった一家。
不便ながら、自然の中で楽しく暮らそうとするが、そこでもまた問題が・・・・
リゾート開発にともない、立ち退きをめぐって、建設会社との決闘?が、
ハチャメチャな父親が引き起こす騒動にうんざりする僕。
そんな父親がなぜかかっこよく見えてきて・・・・

いや~いいですねぇ、イチローおとうさん。
いってる事は、めちゃくちゃなようで一つ筋が通ってて
自由に生きたいって思う人は多いだろうけど
実際自由に生きるって大変なんですよね。(~_~;)
子供へ接し方も教育法も独特で、でもなぜか共感してしまうような・・・・
深く読み応えのあるエンターテイメントでした。
映画もいいけど、ぜひ本も読んで欲しいなぁ。(^_^)

                    いんちょー

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2008年2月 1日 (金)

勝手本35「ジェネラルルージュの凱旋」 海堂尊

初めて海堂尊の小説を読みました。
私がよくアマゾンで本の検索をすると
「この本を買った人はこんな本も検索されています」と、
いつも海堂尊の本が出てきてました。(^_^)

最初はあまり気にかけなかったのですが、
段々と気になり始め、この前図書館によったときに
目に付いたので、借りてみました。

そして、読み始めたとたんから
おもしろいじゃないか海堂尊!(~o~)と
はまってしまったのです。

途中から、これは「チームバチスタの栄光」
から続くものだと気付いて
シリーズの最初から読みたくなり、
途中でやめといてはじめからちゃんと読もうかとも
思ったのですが、途中でやめることができず
どんどん先に進んで一気に読んでしまいました。(~_~;)

現役の医者が書く医療ミステリーなので細部にわたりリアルで
その場の臨場感がすごく伝わってきました。
医療小説というと病気や白い巨頭に代表される権力争いなど
テーマがどうしても重くなってしまいがちですが
海堂尊は細かい「笑い」の描写で瞬時にしてその状況を変えてきます。
その手際は見事ですよねぇ。
あの間の取り方こそ才能でしょうね。
「カラリと笑う」というフレーズにはまってしまいました。(~o~)

医療系はちょっと・・・・・と
毛嫌いされている方も、爽やかに読める数少ない医療小説ですので
ぜひ読んでみてください!!!!ヽ(^o^)丿

                  いんちょー

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2008年1月26日 (土)

勝手本34「あやし」 宮部みゆき

不思議時代劇シリーズ?です。(^_^)
まだ闇が深い時代の事
色んな不思議な事件が起こります。
でも今回は、人間の愛憎などもあり
大人のための日本昔話みたいな感じですかね。

私はその中でも、見る人によって恐ろしい姿に見える
「鬼」がついている姑さんとお嫁さんの話の「安達家の鬼」
がいいですね。
人間の心の奥の闇を写す鬼。
人の浅ましさや小ささが出てぞっとするとこもありますが
どこかコミカルで、ほのぼのとしてしまいます。(^_^)

それともう一つは「蜆塚」
父親のあとを継いだ口入屋の若者が
生前父親と仲良くしていたお店の番頭さんを見舞ったところ。
不思議な話を聞く。
人には、いつまでたっても年をとらない者がいる。
名前や素性はまったく違っても顔や立ち振る舞いが同じで
何十年に一度かたずねてくる。
でも、たとえ気付いても決して尋ねたりしてはいけないよ。
と教えられ、半信半疑のまま家に帰った若者を
一人の男が訪ねてきて・・・・
ひょっとしたらあるかも・・・・・(~_~;)
と思わず道行く人の顔をまじまじと見てしまいそう。^^;

それにしても相変わらず、宮部みゆきの時代劇はいいですねぇ。(^_^)
文学しか読まない人も、恋愛ものしか読まない人も
ぜひ読んでみてください。ヽ(^o^)丿

          いんちょー

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2008年1月19日 (土)

勝手本33「FLY」 新野剛志

題名と序盤の入りでは想像がつかず
いい意味で裏切られた本でした。(^_^)
最初は、いきなり高校生の登場で
爽やかなタッチで始まるので
青春物かな?とか軽いタッチのミステリーなのかな?
とか思ってましたが、
ぜんぜん違って、第2章からは、男の執念がただよう
ちょっと陰のある話に変わってました。
ストーリー上何を書いてもネタバレになるので
それは書かないようにして。
なんとな~く、東野圭吾の「白夜」に似てない事もないかな~
という感じです。(^_^)
もちろん設定も違うし、切り口のぜんぜん違いますから
なんとな~くですよ。(^_^)

それでも、面白くて最後まで一気に読めました。
新野作品はこんな風に執念で何かを追っかける
っていうのが多い気がしますね。
私てきには、「8月のマルクス」より上かな~と思います。
ドラマになってもいいくらいですよ。
新野作品を読もうという方はぜひ一読を!(^_^)

                    いんちょー

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2007年12月20日 (木)

勝って本31「邂逅の森」 熊谷達也

いい本に出会いました。(^_^)
こういった「いい本」との出会いは、
まさに自分の恩人となる人との出会いに似てる気がします。

大正のマタギの話です。
私は、マタギというのは名前以外は、ほとんど知らず
直木賞受賞作というミーハーな気持ちでこの本を手に取りました。

結構重たそうなテーマだったので
どうかな?と思いながらページをめくっていき・・・・
一気に引き込まれました。

マタギ達の山や獲物に対する真摯な気持ち
命を賭けている者達の絶対的な信頼関係。
その中で富治の波乱万丈の人生を中心に
物語は進んでいきます。
富治のマタギに対する思い。
“女”に対する思い。
それが痛いほど伝わってきます。
ラストシーンの「家に帰って、妻の手の握りたい」
物語の読んできて、このセリフに行き当たったときは、
感動で全身があわ立ちました。

熊谷達也氏のほかの本も読んでいますが
この人は本当に「夫婦」を書くと他の追随を許さないほど
ぴか一ですよね。
富治とイクの夫婦の絆、そしてお互いを思いやる気持ち。
ただ人を愛するというのではなくて、
「夫」が「妻」を、「妻」が「夫」を愛する。
夫婦ならではの愛ってこんな形なのか。と感動させられます。
熊谷達也氏もきっとすばらしい奥さんがいるのでしょうね。(^_^)

                         いんちょー

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2007年12月12日 (水)

勝手本30「あかんべぇ」宮部みゆき

何回も書きますけど、宮部みゆきは時代劇がうまいですねぇ~。
天下一品ですよ!
細かい描写と緻密なプロットでの現代物もいいけど
やっぱり時代劇ですね。
最近ちょっとはまってますね。
ここにも緻密なプロットはあるけど
どこかノビノビかいている気がします。(^_^)

ふね屋に住み着く幽霊たち。
それが見えるのは12歳のおりんだけ。。。。
と思いきや、その幽霊と因縁の合う人にはどうも見えるらしい。
そのせいでふね屋はよくない噂が立って店はさっぱり。
幽霊たちが成仏できるように過去を探ってさまよい出る原因を
探すおりん。そしてそれは、仲良くなってきた幽霊たちとの別れの時でもあった。
その中で、思わず自分の過去も知る事になり12歳の子供には重すぎる重石を背負う。
でも、両親やおじいちゃんおばあちゃん、周りを囲む人たち(幽霊込み)、のおかげで
立ち直り、大人になっていく・・・・
そしてすべてのなぞが解けたとき・・・・・

ファンタジー、人情、ミステリーと色んなものが一発待った贅沢な一冊です。
宮部ファンでも、「模倣犯」はちょっと・・・という人には、ぜひともおすすめです!ヽ(^o^)丿

                            いんちょー

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2007年12月 7日 (金)

勝手本29「空中ブランコ」 奥田英朗

いや~この本はすばらしい!(^_^)
私、小説を読んでひさびさに声を
出して笑ってしまいましたよ。

寝る前に読んでいて、隣で嫁さんが
「きもちわるっ」
っていうくらい、笑ってしまいました。(^_^)

全部で5編からなる短編小説で
あらすじは、ちょっと?ものすごく?変わった精神科医の
伊良部のもとにかけ込んで来る患者たち。
暴投してしまうプロ野球選手。先端恐怖症のやくざ。
腰の引けたサーカスの空中ブランコのり。
患者たちが伊良部のハチャメチャな治療を受けていくうちに
自分を取り戻していく。

大まかなストーリーはパターン化してるけど
伊良部のキャラクターと行動は、ほんとに人間の深層に
隠れている欲求を満たしてくれて、読んだ後は
気分爽快になることうけあいですよ。ヽ(^o^)丿

特に「養父のヅラ」はおすすめ。
爆笑間違いなしです。ヽ(^o^)丿

                 いんちょー

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2007年11月28日 (水)

勝手本28「天狗風」 宮部みゆき

宮部みゆきの時代劇シリーズ!お初捕物控2です。(^_^)
前回よりもボリュームアップで、これで時代劇は。。。。と
ちょっとひきそうになりましたが、そこは宮部ワールド
すらすらと読めて、最後までだれることなく
読み終わることができました。(^_^)

今回は神隠しがテーマです。
若い娘がつぎつぎと突然消えてしまう。
それは神隠しかそれとも・・・・
お初は調べていくうちに娘たちに共通するあることを見つけ出し
いよいよ物の怪との対決へ。。。。
「鉄」「和尚」などの脇役のキャラもいい味をだして
怪談なのにどこかほのぼのとしてしまいます。

初心者から宮部みゆきつうまで
まんべんなく楽しめる作品ですよ。(^_^)

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2007年11月20日 (火)

勝手本27「邪魔」 奥田英朗

アンソロジーでは何度はお目にかかったことのある
奥田作品ですが、本格的な?本は初めてですね。

短編では小気味よいストーリ展開で楽しく読めたので、
長編でも期待いっぱいで読みました。(^_^)

今風の平凡で暮らしている登場人物が
それを守ろうと必死になればなるほど悪循環になり
泥沼にはまっていくというようなストーリー。
読んでてどこか松本清張に近いような感じがしました。

ささいな罪を隠そうとさらにささいな罪を重ねる夫
それをうすうす感じながら、自分の今の暮らしを守ろうともがく妻。
中途半端に悪さをして、抜け出ようとも抜けれず落ちていく高校生。
過去の悲劇から逃れきれず、警察という組織の渦の中からも逃れられず
もがく、刑事。

三者三様の転落があり、三者三様のラストがある。
それは決してすべてがハッピーではないけど
読後は不思議とホッとさせられる。

初めて読んだ奥田作品ですが、これからはまって
つぎつぎ読んでしまいそうです。(^_^)

松本清張が好きな方。火曜サスペンスドラマが好きな方。
おすすめですよ。。。。。(^_^)

                  いんちょー

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2007年11月 8日 (木)

勝手本26「K・Nの悲劇」 高野和明

初めての高野作品です。(^_^)
「13階段」が話題になったので本当はそちらから読みたかったんですが
人気本は、中々図書館ではめぐり合う機会がなく
この本だけがぽつんとあったのであわてて手に取りました。(~_~;)

ちょっとホラーテイストのサスペンスといったところでしょうか。
他の作品を読んでないので分かりませんが
これが高野和明の作風なのかな?

夫婦で話し合い子供の中絶を決めたはずが・・・・
妻の人格の変貌
「憑依現象」というのは、果たして霊的なものなのか
それとも神経症の一種なのか・・・
医学的見地から何とかしようとするが
科学では割り切れない現象が次々と起こり
そして驚愕の過去が・・・・

ラストはハッピーなので(これくらいは言ってもいいのかな?)
ホラーといっても読後の重さはないですね。

それよりも1年間に全国で中絶する赤ちゃんが34万人で、
これを「死因」とするならば、ぶっちぎりの1位と読んで
そっちのほうが戦慄を覚えましたね。(-_-;)

                       いんちょー

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2007年10月20日 (土)

勝手本24「震える岩」 宮部みゆき

私は時代物というか歴史物といえば、司馬遼太郎が書くものが大好きで
70冊以上は持ってまして、他に借りたりしたものを入れれば
ほぼ読みつくしています。
そのためか、他の人が書く時代物には、あまり手が出ません。

まして時代劇はなおさらです。
でもこの本を借りて呼んでみて少し見方が変わりましたね。
「蒲生邸事件」は読んでいて、時代物にファンタジーの要素を入れても
面白くなるんだ。と読後は思いましたが、
今回も似たような感じを受けました。

霊感のあるお初が、「死人憑き」騒ぎの真相を探っていくと
なにやら、あの「赤穂浪士」の討ち入りとかかわってきて
そこには秘められた悲しい事実とやりきれなさがあり・・・・

これはシリーズ物の第1作でこの後も続くみたいなので
また読みたいと思います。
私のように時代劇の食わず嫌いな方にぜひともお勧めですよ。(^_^)

こんな風な作品だと時代劇も読んでて面白いもんですね。(^_^)

                     いんちょー

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2007年10月17日 (水)

勝手本23「魔女の笑窪」 大沢在昌

これは、大人のための娯楽の本という感じですね。
設定にしろネーミングといいちょっと漫画チックですが
ハードボイルドな部分もあり十分楽しめますよ。(^_^)

でも、大沢ファンの中では、賛否が分かれるかもしれませんねぇ。
私は、好きなほうですけどね。

「島」から抜け出して唯一成功をおさめた女、水原。
彼女は、特殊な能力で裏のコンサルタントを生業としている。
しかし、島には掟があり、島抜けした女を許してはくれない。
地獄の番人が連れ戻しにやってくる。
いつ来るかも分からない地獄の番人。
戻るくらいなら死ぬ・・・そうつぶやく水原の取った選択は

面白そうでしょ?
最後も続きそうな感じもするし
長期シリーズは無理としても、
後1.2作は読んでみたいですね。

良くも悪くも大沢ファンには必読書ですよ。(~o~)
初めて大沢作品を読む方には推薦しませんが・・・・・・

                       いんちょー

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2007年7月 4日 (水)

勝手本21「そして名探偵は生まれた」 歌野晶午

ミステリーの中のミステリーともいえる
密室もの3部作です。

密室モノか~。じゃあ先が見えてるな。
と思うなかれ。
これがただの本格ミステリーじゃなく
ある種の切なさを加えた情緒のある密室ものになっております。

私も最近は、ガチガチの本格物はあまり読まないのですが
この作品は読後に拍子抜けしたところもなく
最後まで楽しめました。(^_^)

代表作でもある「そして名探偵は生まれた」は、
その名のとおり、あぁこうして名探偵って生まれるんだぁ。
という感じですかね。現実派と理想派の名探偵、やっぱり
現実派のほうが本当の所でしょうね。(^_^)

「生存者1名」は最後の1ページに切なさも謎も
すべてが詰まってます。

「館という名の楽園で」私はこれが一番好きでしたね。
トリック自体は、ん!?・・・という所もなかったではないですが
これぞ本格派。ですね。
自分の夢。。。という説明が多少クドイとこ(歌野作品には多々見られる)がありますが
それを差し引いても十分面白かったです。

初めてミステリーを読んでみようかな。
という方にもおすすめですよ。(^_^)

               いんちょー

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2007年4月16日 (月)

勝手本20「標的走路」 大沢在昌

これは、大沢在昌幻の初期作品です。
佐久間公シリーズの最初ですから、ファンの方は必見ですね。(^_^)
昭和55年執筆というだけあって
せりふや言い回しも若いですね。(^_^)
今ならこんな言い方絶対しない?(させない?)だろうなぁ。と
いうところがちょくちょく出てきます。

さらに、爆弾あり、クーデターあり、傭兵あり、土砂崩れありの
何でもありみたいなところもあってやっぱりちょっとおおあじかな?

それでも作品自体はぜんぜん楽しめますので大丈夫ですよ。(^_^)
それどころか佐久間公に、はまった人はぜひ必見ですね。

大沢作品の最初に持ってくる本としてはおすすめしませんが、
大沢“通”になった後で読んでみてください。
ジワッとよさが広がってきます。(^_^)

下世話なことですが、この本は幻の作品ということで、
古本屋さんなどで探すとプレミアがついて2000~5000円くらいで
売られています。
今から読もう。という人はちょっと高くついてしまうかも・・・・・(-_-;)

                          いんちょー

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2007年4月 7日 (土)

勝手本19「さまよう刃」 東野圭吾

これはまた強烈なテーマの小説ですねぇ。
子を持つ親なら、わが子の年齢に関係なく
考え込んでしまいますね。

わが娘を暴行の上殺された父。
その犯人は未成年二人組みで、今までにも何度も
暴行の経験がありその反省すらせず何度も犯行を繰り返していた。
その犯人を見つけた父は、犯人の少年を刺殺してしまう。
その後、復讐に燃える父はもう一人の犯人の少年を追う。
父親に同情しながらもその犯行を阻止しようと警察が動く。
警察というのは何なんだろうな。
正義の味方か。違うな。
法律を犯した人間を捕まえているだけだ。
決して市民を守っているわけじゃない。
警察が守ろうをするのは、法律のほうだ。
そして少年を追いつめた先には・・・・

少年法の是非も問いながらの重い小説です。
この重さは最後までひびきそして考えさせられます。
少年法は子供を守り、罪を犯しても更生というチャンスを与えます。
更生という定義もまた難しいものがあります。
「心にナイフを忍ばせて」という本の中で、
少年が友達を殺し少年院に入る。
出所後、猛勉強をして弁護士になる。
しかし、今でも被害者の両親に対して
謝罪の言葉は一切ない。
この少年は、更生しているのでしょうか?
社会的な成功は、更生を意味するのでしょうか?

本の中から・・・・・
つかまえて隔離するというのは、
別の見方をすれば、保護することでもあるのだ。
一定期間「保護」された罪人たちは、
世間の記憶が薄れた頃、再びもとの世界に戻っていく。
そのうちの多くの者が、もう一度法を犯す。
彼らは知っているのではないか。
罪を犯したところで、何からも報復されないことを。
国家が彼らを守ってくれることを。
とこんな一説があります。
今の少年たちがこんな風に思ってないことを祈ります。

                      いんちょー

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2007年3月 7日 (水)

勝手本18「陰の季節」 横山秀夫

横山秀夫どくとくの泥くさいワールドは、健在ですが
この作品は、新しい泥臭さというか
今までにない警察小説で、十分楽しめました。(^_^)

連作っぽい短編もので
警察の警務部という世間ではあまり知られていない
部所で、決してきれいごとばかりではない人間模様が展開されます。
殺人事件や謎解きも出てきますが、
事件よりもそれにかかわる人事という側面にスポットをあて
警察という特殊な社会を浮き彫りにしています。
OBの天下りや、世間への体裁など
警察の裏とも言える描写はさすがです。
警察とはこんなものなんだろうなと思ってしまいます。

別に各章の主人公たちは、エリートが多いのですが
自分の保身に一生懸命な姿は、ある意味、滑稽でもあります。

この小説は、完全なる縦社会の警察が舞台ですが、
サラリーマンの方が読んだら、身につまされるところも
ホッとするところもあるんじゃないでしょうか。^^;

大人の男性のための小説ですね。
お気軽に、とは行きませんが
ぜひどうぞ。

                 いんちょー

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2007年2月22日 (木)

勝手本15「千日紅の恋人」 帚木 蓬生

淡々とした語り口の気持ちよい小説ですね。
帚木蓬生氏といえば、「三度の海峡」「逃亡」など
テーマの深い作品が多い中で、
この「千日紅の恋人」は
日常の小さな出来事がていねいに書かれていて
読書後のホロッときてさわやかな感じはさすがですね。

38歳でバツ2。ちょっと変わった住人たちが住む
アパートの管理をもう15年も続けている。
父の形見といえるアパートなので、別にいやではないのだけれど
人生このまま終わってしまうのも・・・という主人公の前に現れる一人の青年。
代わりばえのない日常生活にとつぜん灯ったあたたかい明かりに
とまどいながらも・・・・

これは、ラブストーリーではありません。
「恋物語」です。

「恋とは、いくつもの困難をのりこえてつかむもの。
情熱的に燃え上がってこそ、愛よ」
というラブストーリーしかダメっていうあなた。

ほんとうの恋を知ったときの「泣き笑い」・・・・・発見で